【YouTube無料配信中!懐かしのアニメ】人間の欲望を掻き立てる喪黒福造が大活躍!『笑ゥせぇるすまん』の魅力とは?
「心のスキマ、お埋めします」と記された名刺を配り、真っ黒なスーツに身を包んだ『喪黒福造』が主人公を務める『笑ゥせぇるすまん』。
今回は、YouTubeで無料配信されている公式チャンネル『笑ゥせぇるすまん 公式チャンネル【デジタルリマスター版】』を紹介。
※本動画は、YouTubeにて視聴可能です。(上記のサムネイルをクリック)
藤子不二雄A先生の珠玉の作品『笑ゥせぇるすまん』!
『笑ゥせぇるすまん』は、1968年に前身となる「黒ィせぇるすまん」が小学館の「ビックコミック」で、読み切り作品として掲載され、注目を集める。
その後、連載がスタートし、1989年から『ぎみあ・ブレイク』の1コーナーとしてアニメ放送が開始した。
奇妙なサラリーマン・喪黒が、不満や不安、願望や欲望を持つ客に対し、願い事を叶えてあげるという、オムニバス方式のストーリーとなっている。
だが、この“願いを叶える”という行為には、必ず条件や忠告といった制約がつけられ、この制約を守れなかった客は、必ず破滅の人生を辿ることとなっている。
その客が転機を迎える際に、「ドーン!!!」というセリフと共に、指を指すシーンが、本アニメの最も特徴的で印象深いシーンであるだろう。
主人公の喪黒の声を務めるのは、アニメ『ハクション大魔王』のハクション大魔王役や、映画『スター・ウォーズ』でダース・ベイダーの吹き替えで有名な『大平透』で、渋く、深みのある声で、喪黒らしいミステリアスで特徴的な演技を披露している。
昭和ならではの表現・描写が病みつきになること間違いなし!
何に対しても“コンプライアンス”が叫ばれる、現代。アニメや漫画は“芸術”として表現されて然るべき作品だということを、このアニメを見ることで強く実感することができる。
恋愛・権力・ギャンブルなど、客が抱える不平不満や願望は、誰しもが一度は抱えたことのあるフラストレーションで、特別に大きい事柄ではなく、日常的に潜在的な意識の中にあるものが、喪黒の目につき、甘い誘いを持ちかけられる。
何よりも、喪黒の忠告を無視した、欲望丸出しの客になってしまった客は破滅の一途を辿ることになるが、アニメの最後のシーンで、喪黒はことの本質に触れる。
「プラットホームの女」に惹かれた男の結末とは?
今回紹介した「プラットホームの女」では、マスクをした美人な女性に惹かれたサラリーマンに、彼女と会えるように取り持つ、喪黒。そんなサラリーマンに「私の調査によると、彼女はあまり幸せな身の上とは言えません。ただの好奇心や興味だけで、彼女に会いたいのならやめていただきたい」と忠告をする。そんな忠告を、全力で突っぱねたサラリーマンの家に、その夜、女性が訪れてくる。
その女性は、家主のサラリーマンから「その美しい目を見れば、あなたの素晴らしさはわかるんです!」とキッパリ告げられると、いきなり服を脱ぎ出し、下着姿に。
遂に、マスクを外すと、絶世の美女が現れるが、マスクをしている理由を聞かれると、「整形手術で失敗した」と明かし、本当の顔を晒す。
そんなサラリーマンの結末を見届けた喪黒は、「見方によって、女性はすごく美人に見れるものです。あの程度の欠点なら、彼の深い愛情で十分に補えることでしょう」と、皮肉を交えながら“人間は、外見ではなく中身が重要だ”と伝えていると感じられる。
現代では、目を瞑られてしまうようなことにも、喪黒が気持ち良く切り込んでいく姿は、病みつきになること間違いないであろう。
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